克己心

2020年01月30日

Fear=Fire

試合が近づいてきて、怖くなってきた、という相談を道場生から受けました。
試合が怖いかどうか、と問われたら、それは怖いに決まっています。

目の前の相手(それもたっぷり練習をした武道家・格闘家)がフルパワーで殴りかかってきてくる空道の試合ではそれだけでも十二分に恐怖です。

また、殴られる蹴られるだけではなく、これまで自分が積み上げてきたものが無くなってしまうかもしれない恐怖もミックスされます。

なので、怖くて当たり前です。

史上最年少のヘヴィ級ボクシング王者のマイク・タイソンですら、試合前は怖かったと言っています。

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「恐怖(Fear)と炎(Fire)は似ている。全てを焼き尽くして駄目にすることもあるし、素晴らしいことを成し遂げる原動力にもなる。」

マイク・タイソンの名言集の中でよく掲載されているこの言葉。元々はタイソンのトレーナーであるカス・ダマトの言葉だそうですが、この原動力、は一般的に恐怖を払拭する為の練習や立ち向かう心構えであると言われています。

試合に対して楽天的過ぎる人は、それなりの練習で試合場に立ち、それなりの結果を残す事になります。真にする為の稽古をする、覚悟を決めるのは、恐怖を感じて、それを打ち勝つ練習をした者ではないでしょうか。

「カスが最も熱心に教えてくれたのは、ボクシングの技術それ以上に心の問題だった。リングに上がるとき、ボクサーは誰でも恐怖で凍り付いてしまう。その恐怖をどう克服するか。修練しかない。人は熱心に励むことによって、恐怖を友人にすることが出来る。」

この「恐怖を友人に・・・」の下りは、先の名言の恐怖と炎は似ているに通じる部分があります。
恐怖を感じて克服する事が大切であり、恐怖を感じないで戦う事は蛮勇であっても勇気ではありません。

武道的に言えば試合に向けて恐怖を感じてそれに立ち向かう心根こそが肝要なのではないでしょうか。

試合まで2か月をきり、ぼちぼち焦りや恐怖を感じる人が出てくると思います。

最後に

「皆、ボクシングが“タフな男”のスポーツだと思っている。でもそうじゃない。これは“考える男”のスポーツだ。タフな男はボクシングで大怪我をするさ」

試合までその恐怖を噛み締めて、よく考えて、日々の稽古に励みましょう。



djkansai at 23:16|PermalinkComments(0)