思う事

2019年07月18日

武道?格闘技?スポーツ?

空道は武道です。
武道の目的は「人格形成」「精力善用」などがありますが、やはり一番肝となるのは「日常的に降りかかる不当な暴力から身を守る事」でしょう。

ここでよくスポーツ、格闘技にはその要素が無い、とドヤる武道家がいますが、ボクシングやレスリングも歴史を紐解けば日本でいう武道的な要素がたっぷり詰まっています。

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(紳士の護身術・嗜みであったボクシング)

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(10年ほど前アメリカで開催されたStickFightでかなり有効的だったのがグレコローマンレスリングでした)

時代や文化、環境で「実戦」なんてものはころころ変わるわけで、多対多でどつきあう日本の喧嘩みたいなものもあれば、お互いのグループの一番強い奴を出し合って1対1で決闘させ合うブラジルみたいな喧嘩もあります

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(それで発達したのが1対1で効果を発揮する寝技。さらに砂浜とか地面が柔らかいので1回投げただけでは勝負が決まらなくて寝技になるそうです…画像は戦前の元祖MMAファイター、前田光世先生)
となると、何が武道と格闘技とスポーツを分けるのか。さらに最近では菊野克紀さんが「格闘道」なる言葉を作り、ますますこの当たりの差が曖昧になってきました。

強いて言えば、何を目指しているか、でしょうか。

スポーツは記録を競います。

一度100mで9秒台を出せば、それは一生の誇りとなります。

が、武道は「道」ですので、過去にどれだけ強くても、現在目の前に現れた困難に対処できなければ(武道的な)意味は無くなってしまいます。
勿論、過去に強かった事もスポーツとして非常に素晴らしい功績ですが、今この瞬間、目の前にある困難を打破する為に役立つのが武道です。
それが単純な戦闘力なのか、武道で鍛えた心身なのかはわかりませんが、それを乗り越えて武道家としての本懐を遂げるのかな、なんて思ったりします。



djkansai at 17:28|PermalinkComments(0)

2019年07月16日

夏に向けて

7月中頃を過ぎるとわくわくするのは、子どもの頃の名残なんでしょうか。
大体ジムでは5月くらいから夏に向けて筋トレをしよう!という人が増えてきます。

さて、空道では昇級・昇段審査にウェイトチェック(ベンチプレスとヘヴィスクワット)と体力チェック(拳立て伏せ、スクワット)があり、帯を得るには最低限のフィジカルが必要になります。

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(関西宗支部の前身である関西本部時代、稽古後皆で筋トレに勤しんだものです)

空道は極真会館の全日本王者であった東孝塾長によって開かれたわけですが、極真会館の強さについて塾長は
「当時、誰よりも早くウェイトトレーニングを稽古に取り入れた空手」
だと言われていました。

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(技は力の中に有り!)

これと同じ事が柔道では戦前、木村政彦先生が他の柔道家よりも早くウェイトトレーニングを取り入れて結果を出しています。
ダウンロード

(勿論それだけではないんでしょうが・・・戦前の栄養事情でこの身体・・・!)

心技体と3要素が均等だとして、「体」を捨てて、残りの心技のみで相手の心技体に勝てる、なんていうのは傲慢な事でしょう。

ウェイトリフターやボディビルダー程時間をかけてウェイトトレーニングをする事はないですが(できるならいいんですが・・・)、せめてウェイトチェックをクリアできる程度の体力は得ておきたいものです。




djkansai at 17:18|PermalinkComments(0)

2019年07月12日

1.01倍の法則

毎日1%ずつ自分の能力を向上させていくと、1年後には37.5倍(1.01の365乗)になっている。
というのがこの法則です。
机上の空論だ、と断じるのは結構ですが、様々な部分からアプローチを出来る総合武道ほど、この法則がマッチする分野もあんまりないと思います。

(例えば陸上競技で毎日練習して1年後に37.5倍のスピードで走れる様にはなれません)


打撃、組技、筋力、スタミナ・・・etc・・・トータルでどこかの分野を強化して、日々成長出来る要素が多い空道なら、毎日1.01倍になれる気が・・・しませんか?


踊り場が広くなければ階段は高くならない

1995年北斗旗王者の酒井修選手。

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鋭い打撃で定評のある酒井先輩ですが、実は読書家・思想家でもあります。
当時練習や試合の事で悩んでいると、文学的な表現を持って諭していただいたりもしました。
その中で今回紹介するのが「踊り場が広くなければ階段は高くならない」というお言葉。
稽古をしていて伸び悩む時って誰でもあると思います。
前回<リンク>、毎日1.01倍成長すれば・・・と言ったものの、全然成長できないどころか、後ずさりしてんじゃないかと悩む時もよくあります。
そんな事をこぼした時に酒井先輩から言われたのが先ほどの言葉です。
そして停滞を続けているうちに、ふと、一気に成長するもんだ、という事だそうです。
長年大道塾に関わり、現役選手として、そして指導員として、考えに考え抜いた方の言葉だけに含蓄があります。
稽古の成果がでねえ・・・という方はこの言葉を思い出してみるのもいいのではないでしょうか。



djkansai at 12:00|PermalinkComments(0)

2019年07月11日

練習の意味

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やらされている練習なのか、意味のある努力なのか
野村忠宏(柔道家)


仕事でも武道でもスポーツでもそうですが、やらされているのか、やっているのかで意識の違いが大きくでます。
じゃあどうすればやっている、意味のある練習になるか。
それはもう単純に好きなことをやるもしくはやっていることを好きになるしかありません。
仕事や勉強では中々全部を好きになりきるのは難しいかもしれませんが、少なくとも自分でやろうと思っている武道くらい、やらされているんじゃなくてやっている気持ちでやりたいものです。

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(好きじゃなきゃこんな痛い思いしたくありません)

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(好きじゃなきゃこんな顔になるまで筋トレ追い込まれません)



djkansai at 22:59|PermalinkComments(0)

2019年06月09日

ノブレス・オブリージュ

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スパイダーマンで言う「大いなる力には大いなる責任が伴う」とほぼ同義です。
武道を続けていれば、少なくとも戦闘力は上がります。しかしそこに精神性が伴わなければそれこそ○○○○に刃物になってしまいます。
武道の世界でも格闘技の世界でも、精神性が伴わず強さに溺れて、身を持ち崩す人をかなりの数見てきました。

ここでよく、武道は精神教育をしているけど格闘技はしてないから・・・なんて的の外れた「武道優越論」を語る人が結構いますが、これが誤りなのは、近年の相撲の不祥事多発を見ればよくわかるでしょう。

結局良き師、先輩が伝えないといけないのかなと思います。



djkansai at 17:13|PermalinkComments(0)